昨年7月、12市町村が合併し「新・浜松市」が誕生。高山市についで全国で2番目の市域面積を有することになりました。観光資源も一気に増えたのですが、その中で中世から近世の歴史分野においても興味深い史実が多数あります。
来年のNHK大河ドラマは風林火山の「武田信玄」。ということは、この遠州の地もおおいにとりあげられることになるでしょう。浜松城は徳川家康が青壮年期の17年間在城し、後に天下を取った縁起のよいことで知られ、別名「出世城」と呼ばれます。
長野県と隣接する水窪地区には、高根城が復元されています。今年の夏、浜松市博物館で「浜松の城」をテーマとした企画展が開催されたので、見に行ってきました。係の人に案内してもらって驚いたのは、「浜松には城、砦が全部で130もあるのです」ということ。この数は、近江地方についで多いのだそうです。
南北朝争乱期(1336年-1392年)において、浜名湖の北岸地域は遠江南朝方の重要拠点であったといいます。引佐の三岳城を本城に多数の支城があった。戦国時代には、今川義元、武田信玄、徳川家康が覇権を競ったこともあり、浜松城、二俣城、犬居城などが築かれた。
天竜の二俣城では、家康の嫡男・信康が武田氏に内通したとの嫌疑から切腹させなければならなかった。信長の命令ながら、母・築山御前とともに肉親を殺めなければならなかった家康の心中はうかがい知ることもできないものです。
こうした歴史資源をもっと知ってもらうために、「浜松の城めぐりツアー」も面白いのではないかと思います。武田信玄の大河ドラマをより関心をもって見ていただけることでしょう。「はままつ城めぐり」という小冊子を市博物館で発行していますので、ぜひ持参のうえ歴史探訪の旅へ出かけましょう。