日本のビジネスシーンのひとつに、名刺交換があります。名刺にも個性があって、定番以外のものをいただくとその人となりに好感をもちます。
小生は、「松尾ファーム」というものを用意しています。昨年から、友人の畑の一部を耕作させてもらい、野菜や花、果樹を植えているのです。この名刺は、時として本業の名刺以上に話が盛り上がることがしばしば。
野菜の年間作付けは約30種類。妻いわく「野菜を買う機会が少なくなった」とか。この春、ニンニク、ジャガイモ、ネギ、ニンジン、キャベツなどを収穫しました。トマト、ナス、キュウリなどの夏野菜もぼちぼち味わっている…。
もちろん有機栽培を目指しており、無農薬野菜は安心・安全、そして何よりも「うまい!」。虫に葉を食べられたり、色づいたトマトなども鳥たちがねらいます。おこぼれも自然との共生には必要だろうと、あくまでも寛容なのです。この時期は朝5時ころには畑に出向き、草取りや収穫を楽しんでいます。
ドイツでは「クライン・カルテン」といわれる週末滞在型菜園が人気のようです。日本でもコテージに泊まりながら、土いじりを楽しむスタイルが見られるようになってきたようです。団塊の世代がリタイア後に望むことで、上位を占めるのが野菜づくり。
後継者がいなくて畑が荒れてしまっている場面も数多く目にします。高山市についで二番目の市域面積を有する浜松市。中山間地に、ぜひクライン・カルテンをつくっていただき、都市内交流だけではなく、東京や大阪などからも土いじりを楽しむ人たちが週末に浜松にやってくるようになってほしいと願っています。
「晴耕雨読」という言葉のひびきに、若いころから憧れをもっていました。雨に対する感謝の気持ち、四季の変化どころか毎朝の変化(芽を出したり、花が咲いたり)にも敏感になりました。
食卓に自家製の野菜が並ぶ、この小さな喜びをぜひ味わっていただきたい。