数年前のこと、「体験観光」を視察するため飯田市(長野県)へ行きました。ここは南信州観光公社というのを立ち上げ、本物を体験させるメニューの数々を商品化しています。現在では、修学旅行客を全国から呼び込むほどの実績を残しているのです。
ここで、蕎麦打ちを体験し、持ち前の軽いのりで「友達が来たときに、蕎麦を馳走するのもいいな」と帰宅後、早速、インターネットで蕎麦打ちセットを購入。
先生の指導のもと、確かに「うまかった」のです。それと、何とかできそうだなという、今から考えると楽天的性格がそのまま出てしまっていたのですな。さて、自宅で道具を広げ、水回し、練りからはじめる。蕎麦は三たてといって「挽きたて」「打ちたて」「茹でたて」がよろしい。妻が陶芸をやっていたことがあって、菊練りはうまくいっている様子。
のし(丸出し→本出し)の作業が難しい。厚さが均等にならない。これだと茹でにむらが出てしまう。切るのもなかなか難しい。なんとか蕎麦らしきものができあがって、食べてみる。「うん、いいんじゃない」
それから二、三度やってみたのですが、やはり難しい。昭和三十年代のはじめには、近所の農家には石臼があって、おばあちゃんが蕎麦を挽き食べさせてもらっていたような記憶があります。
え、今その道具はどうなっているかって?前専務のOさんに譲りました。彼は蕎麦打ち教室に通って、本人の弁によると、かなりの腕前になっているということです。
浜松市の北遠地域はこうした体験観光の宝庫でもあります。これを売り出さないのは「もったいない」(国際語になりつつあるようです)ので、本年度の当ビューロー賛助会員の集いを水窪地区で開催。「ひえ」、「あわ」といった雑穀料理を楽しみ、レトロな雰囲気が漂う商店街を散策。そして、地元の人たちとの交流。
浜松市と飯田市はそれぞれの合併により、行政区域を接することになりました。定年後のために、もう一度「蕎麦うち」に入門しようかなどと考えています。